光ファイバセンシング


光ファイバ内での後方散乱光や反射光の温度依存性や歪依存性を利用して、光ファイバ自体をセンサとして利用することを『光ファイバセンシング』といいます。


光ファイバセンサの特徴


シンプルで耐環境性に優れる

・センサ部に電源は不要です
・落雷や電磁ノイズの影響を受けません
・防爆環境下での使用が可能です

広範囲のモニタリングが可能

・長距離の計測や遠隔監視が可能
・光ファイバ1本で広範囲の計測が可能

長期間のモニタリングが可能

・故障しにくいシステムです
・耐久性に優れています
・ランニングコストが抑えられます



光ファイバセンシングと、熱電対やひずみゲージなどとの比較


熱電対やひずみゲージなどの問題点、課題。

(1)点測定のため分布的に変状を測定しようとすると、通信線が膨大になるなど、莫大なコストがかかります。
(2)基本的には電気的なセンサ(熱電対、抵抗線歪み計)で耐雷性が無く、電磁ノイズの影響を受けます。
(3)センサ寿命が短く、取り替えやメインテナンスが必要であり、高コストとなります。
(4)また、構造物や取り付け場所によっては適用できません。
(5)可燃性雰囲気などの使用に際しては、格別の防爆保護構造が必要となります。

 

それに対し、光ファイバセンシングは、

(1)光ファイバは伝送損失が0.3dB/kmと、極めて小さいため(電線の約1/1000)長距離測定が容易です。
(2)光ファイバ自体がセンサとして機能するので線や面的など分布的測定が可能で、それらに格別の通信線は不要です。

(3)電磁ノイズや防爆に関する対策を必要とせず、安定した測定が可能
(4)耐久性があり、長期(10年以上)に渡る適用が可能
(5)光ファイバを接続して追加したりシステムを拡張し多用化でき、複数の構造物の監視ができます。

(6)測定器から離れているセンサに給電する必要ありません。
(7)多くの測定項目や測定対象に対して適切な監視システムの構築が可能。監視システムのメンテナンスコストを低減できます。


ピコセンサとは


光ファイバセンシングの実際の適用に当たって最も重要な点は、『ガラスという脆弱な光ファイバを、如何に保護してセンサとして活用するか?』ということです。

これらの課題を、 細径長尺の金属管中に間隙を有する状態で光ファイバを内包することで解決したのがピコセンサです。

ピコセンサの特徴


1. 高強度材料である金属を利用することで、センサのハンドリングや被測定構造物に固定する際に必要である機械的強度を容易に得ることができます。

2. 管構造を採用することにより、比較的軽量で剛性を向上でき、 また、高い静水圧強度側圧強度を得ることができます。

3. 適用環境、適用雰囲気や被測定物の材質に合わせて、耐久性を有する材質を選定できます。

4. 光ファイバに正余長(光ファイバの長さが金属管よりも長い)、負余長(光ファイバの長さが金属管よりも短い)、や間欠的な固定等の組み合わせにより 、測定したい変状を的確に捉えることができます。

ピコセンサの種類


ピコテンプセンサ(温度)

ピコストレインセンサ(歪み)


ピコセンサには、温度を測定するピコテンプセンサと、歪みを測定するピコストレインセンサの2種類があります。ピコテンプセンサの中でも、FBG用で多点での測定ができるものをピコテンプFBGセンサといい、ピコストレインセンサの中でもFBG用で多点での測定ができるものをピコストレインFBGセンサといいます。