A. 溶接材料の製造技術を利用した新規事業として生まれました。
1984年頃、旧)日鐵溶接工業では新たな柱となる新規事業の検討をしていました。そのなかの一つに、溶接材料の製造技術(金属管にフラックスという粉を入れる)を応用して、当時折れやすく問題を抱えていた光ファイバを『細径金属管に入れて保護できないか?』という案が浮上し、開発が始まりました。 大きな鉄ボビン(直径約2m)に細径金属管(直径約2ミリ、最長2000m)を巻きつけ、上下と回転方向に細かい振動を与え、髪の毛程の光ファイバを入れる実験は試行錯誤の連続でした。
その頃、東京都において下水道管を利用して光ファイバ通信網を普及させる計画が浮上。耐水性や耐久性、特にネズミなどによる咬害にも耐えられる強固な光ケーブルが求められ、様々な試験をクリアして細径金属管に入れた光ファイバが初めて採用されました。そして1990年に、『電線並みに扱えるタフな光ケーブル』を開発コンセプトとして金属管光ファイバケーブル『ピコループ』は誕生しました。